2025/07/23(水)
痛みが消える事は一生ない。
カテゴリー:院長ブログ
みなさんこんにちは、整体サロン【Ars】アルスの上橋です。
痛みが消える事は一生ない。
とてもインパクトのある言葉だと思うのですが、これは実際のところ本当の話なんです。
でもこれを理解するには「痛みの定義」を共有する必要がある。
痛みは非常に不快だと思いますが、あくまで「痛覚」が消えるわけではないと言う話です。
痛みには種類があり、それぞれ脳に到達する速度や感覚が繊維によって違います。
Aα(エーアルファ)
このエーアルファにはさらにIa繊維とIb繊維の二つがあり、筋肉の身長度合いを感知し、関節の位置、重さ、抵抗などの感覚を司ります。神経繊維は一番太く伝導の速度も速いです。
Aβ(アルファーベータ)
このアルファーベータはエーアルファの次に繊維が太く速度も速いです。
感覚としては触圧覚で触られたり、押された圧を感じます。
Aγ(エーガンマ)
このエーガンマもエーアルファと同様に筋肉の運動に関わる神経で筋内部の錘内筋といって筋肉の長さや姿勢維持、運動調節に働く繊維になります。
これも鋭い痛みで、ぶつけたり、熱いものを触った時などを感じる神経繊維です。
Aδ(エーデルタ)
このエーデルタは先ほどのガンマよりも遅い伝達速度で冷感や痛覚を感じとります。
B
このビー繊維は主に自律神経に作用し、内臓の活動や血管の収縮、拡張、発汗に作用します。
痛みに関しては繊維も細いので痒みを感覚します。
C
このシー繊維は神経繊維の中で一番細く伝導も遅い繊維になります。
感覚としては鈍痛や痒みなど鋭くない痛みになります。
主に慢性痛の方はこの繊維が異常に興奮してる可能性が高いです。
上記のように痛みを感じる繊維といっても一つではなく、体に加わる刺激の種類によってどの神経繊維が発火して脳に伝導するか違うのです。
これで良い例なのが、蚊に刺されたときです。
痒みはC繊維なので細くて遅い感覚ですが、爪を立ててその上から刺すように刺激するとAαの早く鋭い感覚の方が先に脳に伝達し、痒かったC繊維の痛みは一時的に無くなったように感じます。
つまりかゆいから蚊に刺された跡を爪でバッテンする行為は割と理にかなっていると言う事です。
他にもイタイのイタイの飛んでけー!と痛い場所を摩って飛ばすフリも同様に痛みよりも触圧覚の方が素早く伝達するので痛みを飛ばせた訳ではなく摩ったことにより感覚の優劣が変わったとみられる行為なのです。
このように刺激の種類によって感じる感覚が違うので慢性痛など不快感に感じてる『痛み』=『痛覚』が消えることはなく、異常な感覚が正常に戻るということが言いたかったのです。
痛覚が生まれつきない無痛病(先天性無痛無汗症:CIPA)という病気があります。
この病気は遺伝性の疾患であり生まれつき温痛覚や発汗機能が低下もしくは消失する病気です。
つまり痛みを感じれないに加えて汗もかけない状態です。
この病気を引き合いに出すのは少しずるいですが、痛みを感じれると言う事は自分の体の内外部で何かしらの異常が起こっていることを認識することができる凄くありがたい機能なのです。
ですから、痛みに困っている方がこのブログを読んでいるならば、どうか痛みは敵ではないということだけでも覚えて頂けたらと思います。
また痛みに関しての情報も取り上げていきたいと思いますのでまた良かったらご覧ください!









